クリスチャンである結城先生に聞くのは失礼かとも思ったのですが、一番丁寧に答えてくれるかとも思ったので聞いてみようかと思います。
僕はクリスチャンではありません。その点でキリスト教における聖典としての聖書には興味を持っていません。しかし、西洋の文学を読んでいくと、その大元として聖書の影響は大きく、文学として興味を持っています。
そのような自分が聖書に触れようとするなら、どこから手を付けたらいいものか、よろしければ結城先生にお教え頂けたらと思います。
ご質問ありがとうございます。
もしもまったく聖書に触れたことがないなら、聖書そのものをとりあえず通読しつつ、エピソードを読みやすくした「聖書物語」のようなものを読むのもいいかもしれません。何だったら子供用の絵本を読むのもいいかもです。
少し注意が必要なのは、一般向けに書かれた聖書の本の中には、内容がいい加減なものがあったり、また正統なキリスト教とは言い難い書き方がなされているものもあったりする点ですね。
聖書と教会についてはこちらに少しまとめてあります。聖書と教会を選ぶための簡単なガイドですね。
多くの教会では、毎週メッセージの中で「聖書講解」と呼ばれる聖書の解説をおこなっています。聖書の箇所を順番に読んでいって、たとえばクリスマス、イエスの十字架、復活、ペンテコステといった出来事の意味が語られます。
たとえクリスチャンになることに関心がなく、聖書を学びたいという理由でアクセスしても、正統的なキリスト教の教会ならば怒られたりすることはありません。また強制的に信者になれと言われることもありません(もしそういう教会があったらすぐに逃げ出してください)。
もしも東京近郊にお住まいなら、東京・お茶の水にある「お茶の水クリスチャンセンター」に聖書やキリスト教関連書籍がたくさんありますので、ぜひいらっしゃるといいと思います。
銀座・教文館も有名なキリスト教書店ですね。
聖書の内容に戻ります。旧約聖書のさまざまなエピソード(天地創造、アダムとエバ、ノアの箱舟、出エジプト、モーセの十戒、…)に触れたり、新約聖書のイエスの記事(クリスマス、宣教、さまざまな奇跡、山上の垂訓、十字架、復活…)に触れると親しみが出てくると思います。それは、文学であれ絵画であれ、聖書に出てくる有名なエピソードにモチーフを取ってくることが多いからです。
有名なエピソードの成り立ちから先に踏み込むならば、それぞれのエピソードが持つキリスト教的な意味を学ぶことになると思います。神とは何か。三位一体とは何か。人とは何か。人は神とどのような関係にあるのか。それらは広く深い題材です。
聖書と信仰に関して、宗教改革を行なったマルチン・ルターが簡潔にまとめた文章があります。私が訳して公開しているものがこちらにありますので、ぜひ参考になさってください。もともと、あまり学問的な背景がない一般の人向けに書かれたものですので、たいへんやさしい文章になっています。
聖書に触れることは、あなたの人生にとって大きな意味を持ちます。
あなたの学びが豊かな実を結びますように!