『数学ガール/ポアンカレ予想』の「あとがき」を書いていると、なぜか急に涙が出てきた。六年も掛かった本がもうすぐできあがる。
「あとがき」には、いつもだいたい同じことを書くけれど、今回は執筆期間が長かったため、少し変わったことを書こうかなと思った。しかしながら、いざ書こうとするといろんなことがわああっと思い出されてきて、うまく書けない。なので、いつもとだいたい同じことを書くことにする。
どうしてこの一冊書くのに六年も時間がかかったのか不思議である。しかし、よく考えてみると六年の間には『数学文章作法』の基礎編と推敲編、それに『数学ガールの秘密ノート』を九冊書いていたのであった。
『数学ガール/ポアンカレ予想』は、昨年帰天した義母に捧げることにしよう。