聖書の神さまにお祈りをするときには、まず神さまに感謝してから要求した方がいいものです。ありがとうございますという気持ちを述べてから、神さまへの願いごとを祈りましょうという意味です。
そのことを「感謝は要求に先立つ」と表現する場合もあります。
「感謝は要求に先立つ」という祈りの心がけは、単純に礼儀の問題としても理解できます。自分の前に、とても身分の高い方がいらっしゃるとき。あるいはきちんとした振る舞いをしなくてはならない方がいらっしゃるとき。日頃からお世話になりっぱなしな人と話をするとき。いきなり自分の要求から話を切り出すことはないでしょう。まずは相手へ呼びかけをして、ごあいさつをして、日頃お世話になっていることを感謝して、その上で「実はお願いが…」と切り出すでしょう。神さまへのお祈りも同じです。
礼儀の問題だけではありません。「感謝は要求に先立つ」という心がけは、自分のためでもあります。相手に感謝をするということは、相手がどんな方であり、普段どんなことをしてくださっているかをよくわきまえる必要があります。神さまに感謝するためには、神さまのことをよく思い出し、よく知りたいと考えるでしょう。それはお祈りにおいて大切なことなのです。
神さまはすべてをご存知ですし、愛する私たちに必要なものを与えてくださる方です。ですから、まだよくお祈りがわからない人が、いきなり要求をしてしまったり、たどたどしく祈ったりしても、お怒りにはならないはずです。なので自分の祈り方を心配して祈らなくなるよりは、まず祈った方がいいものです。
それはそれとして「感謝は要求に先立つ」という心がけは大切です。その心がけは、神さまのためというより私たちのための心がけです。私たちの側を整え、神さまとより深くコミュニケートするための大切な心がけなのです。
祈りの心がけでは、聖書の神さまに祈るときの心がけについてやさしくお話ししています。具体的にどう祈ったらいいかわからない人のために具体例も書いてあります。こちらも合わせてお読みください。