ときどき時間の流れがこわくなることがある。もうこんなに時間が過ぎてしまったよー(ぐぬぬ)という軽いノリではなく、もっとこわい話である。
早く流れていくことがこわいのではなく、のっぺりとした時間が目の前にあることがこわいのだ。
「それでも大丈夫なんだよ」と自分に教えてやる必要がある。のっぺりとした白い時間が滝のように落ちて流れていくそばにしっかり立って、吹き飛ばされたり流されたりせずに、自分に「大丈夫なんだよ」と言い聞かせなくては。
そしてネットで怒りをぶちまけている人や、新聞の投書欄で切れている老人や、自分となんの関係もない人の不倫話に興じている人たちも、滝のように落ちて流れていくのっぺりとした時間に恐れおののいているのかもしれないと思ったりする。