「聖書を読んで、教会に行ってる人はいい人」と考える人がいますが、私は誤解だと思っています。正しくは、自分は危うい、自分は少し間違えばとんでもないことをしかねない、と思っているから聖書を読んで、教会に行くのだと思います。
結城は二十代の頃、こんなふうに言われたことがあります。「教会に行くなんて弱い人間がすることだ。自分では何もできず、ちょっと困ったらとんでもないことをする人間が教会に行くんだ。弱虫だ。強い人間は教会になんか行かない」と。私は(その通りだ)と思ったけど、何も言いませんでした。でも「その通りだ」と言えばよかったかもしれません。
ヒトラーを見て「あいつは極悪人だ。私はあれとは違う」と思う人と、「同じ環境で同じ気質を与えられたら私もヒトラーだったかもしれない」と思う人がいます。私は間違いなく後者です。