2016年09月11日(日)

命題

素数は無数に存在する。

証明

背理法を用いる。素数が有限個しか存在しないと仮定し、その個数を\(n\)とする。\(2\)\(3\)は素数であるから\(n \geqq 2\)であり、すべての素数は、 \[ p_1,\ldots,p_n \] と列挙できる。

ここで、すべての素数の積に\(1\)加えた数を\(q\)とする。すなわち、 \[ q = p_1\cdots p_n + 1 \] である。

\(q\)\(1\)より大きい整数で、素数\(p_1,\ldots,p_n\)のどれでも割り切れない。したがって\(q\)は素数である。

ところで\(q\)は、どの素数\(p_1,\ldots,p_n\)よりも大きい。したがって\(q\)は素数ではない。

これは矛盾である。したがって素数は無数に存在する。(証明終わり)

 * * *

https://twitter.com/hyuki/status/562968246304116736


 このお話をTwitterでシェアする  このお話についてnoteで書く

結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki

『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

Home Twitter 結城メルマガ note